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扁壺 紫苑釉裏銀彩花春秋文 / 人間国宝・中田一於

価格¥880,000
(税込・国内送料無料)

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中田一於 作 九谷焼 扁壺 紫苑釉裏銀彩 春秋 正面全体図
扁壺 紫苑釉裏銀彩花春秋文 / 人間国宝・中田一於 価格¥880,000

作品紹介

解説

扁壺 紫苑釉裏銀彩花春秋文 —春と秋、二つの季節を宿す銀の詩

やわらかな藤紫色の釉をまとった丸みある扁壺の肌に、銀彩の桜と菊が静かに浮かびあがる。白銀の光は釉薬の下から差し込む光のように揺らぎ、ひとつの器の中に春と秋、二つの季節が静寂とともに同居しています。

この作品で中田が用いているのは、彼が独自に切り開いた「釉裏銀彩」の技法です。

生地に銀箔を切り貼りし、透明な釉薬で覆ったうえで焼き上げる——かつて陶芸の世界で「扱えない素材」とされてきた銀を、中田はその研究の集大成として磁器の表現と融合させました。釉薬が銀の酸化を防ぎながら、奥行きのある輝きを封じ込める。「淡青釉」「淡桜釉」など独自に調合した色釉と銀彩の組み合わせは、国内外の専門家から高い評価を受けており、ワシントン・スミソニアン機構サックラー美術館には永久保存作品として収蔵されています。

本作に漂う「紫苑」と呼ぶにふさわしい色調——藤色と青のあわいに沈む釉肌——は、中田の色釉の技術が最も静かに、しかし確かに発揮された表情です。銀彩の桜と菊の花びら、そして木の枝をわたる小鳥の姿が、その釉の靄の中からほのかに浮かびあがります。春の桜、秋の菊。めぐる季節を一器に宿した「花春秋文」の意匠は、日本の美意識の核ともいえる「うつろい」そのものを体現しています。

扁壺のかたちもまた、この作品の詩情を支えています。正面から見れば卵型に近い滑らかな稜線、上から見れば横幅に対して奥行きが少し控えめな扁平さ——その非対称の緊張感が器に静けさと気品を与え、どの角度から眺めても美しい佇まいを見せます。

本作は作家本人から当店が直接お預かりした、他店では入手不可能な一点です。人間国宝認定後、中田一於の作品は極めて稀少となっており、このような状態の優品を手にする機会はめったにありません。

作品名:扁壺 紫苑釉裏銀彩花春秋文
価格:880,000円(税込)
作品サイズ:横20.5×奥行19.5×高24cm
箱の種類:桐箱紐通し入り

作家紹介

人間国宝・中田一於 - Nakada Kazuo -

人間国宝・中田一於

釉薬の奥に宿る、銀の光。

石川県小松市の九谷焼名窯・中田錦苑窯に生まれ、家業を通して陶技を習得。人間国宝・三代徳田八十吉に指導を受け、30代で「釉裏銀彩」という前人未到の技法を確立しました。

釉薬の下に銀箔を切り貼りして焼き上げる釉裏銀彩は、銀の酸化を防ぎながら、釉薬が生む奥行きの中に銀の輝きを永く封じ込めます。中田はさらに「淡青釉」「淡桜釉」など独自の色釉を生み出し、銀彩との繊細な調和に独自の美の世界を切り拓いてきました。

その業績は国内外で高く評価され、2025年(令和7年)、釉下彩の分野では史上初めて国の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定。ワシントン・スミソニアン機構サックラー美術館への永久収蔵、東京国立博物館での展示など、世界的な評価も確立されています。

陶歴

1949年 石川県小松市生まれ

師:三代 徳田八十吉

1978年
(昭和53年)
日本伝統工芸展 初出品・初入選
1982年
(昭和57年)
日本伝統工芸展 日本工芸会奨励賞 受賞
1990年
(平成2年)
日本伝統工芸展 文部大臣賞 受賞
1993年
(平成5年)
「釉裏銀彩壷」ワシントン・スミソニアン機構サックラー美術館 永久保存作品に選定
2001年
(平成13年)
伝統九谷焼工芸展 大賞 受賞
2002年
(平成14年)
石川県指定無形文化財・九谷焼技術保存会会員に認定
2010年
(平成22年)
日本伝統工芸展 日本工芸会保持者賞 受賞
北國文化賞 受賞
2011年
(平成23年)
紫綬褒章 受章
2012年
(平成24年)
小松市文化賞 受賞
2015年
(平成27年)
第35回伝統文化ポーラ賞 優秀賞 受賞
2019年
(令和元年)
旭日小綬章 受章
2020年
(令和2年)
東京国立博物館 表慶館「工藝2020 自然と美のかたち」出品
2025年
(令和7年)
国の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定
釉下彩分野では史上初の認定